第5章 第五章
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まぁ…人によるけど、水分補給は大事だったりする為頑張ろうかと勧める。苦々しい表情で私を見つめた鶴丸さんは重々しい口を開き、ぐっ!と全て飲み干した。
「っっ…うぅ…」
「鶴丸さん、良く頑張りました」
「気持ち悪い、不味い…」
よしよしと真っ白な髪の毛を撫でている、甘えるように私に抱き着いて来た鶴丸さんは「吐きそう…」と呟いた為、吐いて貰おうと背中をさすった。
「おぇ…」
「大丈夫です、全部出してしまいましょう…」
「ぅ、ぐ…っ…」
吐き続けて、涙目の彼の背中を撫でながら吐き終わるまでずっと付き添っていた。
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「はぁ、はぁっ…あ、るじ…」
「水飲みますか?あの燭台切さん、鶴丸さんの傍にいてあげてーー…」
「行くな…俺は…君にいて欲しいっ…」
立ち上がり燭台切さんに伝える私に、鶴丸さんは涙目で私の衣服の裾を掴んだ。カクンと前屈みになり振り返る。その様子を見ていた燭台切さんが苦笑いで聞いて来た。
「ねぇ、主…先ずは厠から離れようか。ここじゃ鶴さんも休まらないだろうと思うし」
「確かにそうですね…立てますか?」
「あぁ、なんとか…」
肩と腰に手を回した私は、疲れたように脚をふらつかせて歩いて行く鶴丸さん、燭台切さんと一緒に静かな場所まで足を進めた。燭台切さんは気を遣ってくれたのか水を持ちに行ってくれて、私と鶴丸さんは和室でゆっくりと寛ぐ。私はぽんぽんと軽く太ももを叩くと、鶴丸さんはこてんと膝枕のように横へ転がった。サラサラとした白髪を撫でていれば、チラリと私を見上げている。
「君は…優しいんだな…」
「ふふっ…私は容赦がないですけど優しいですよ?」
「ははっ…すまんすまん」
苦笑いを浮かべた彼はまだ少し気分が悪そうに目を閉じる。その白い肌にそっと私の手を触れて撫でると気持ち良さげに口元が笑った。
「酒は飲んでも飲まれるな…そう言うことわざがあるのはご存知です?」
「うっ…以後気をつける」
「えぇ、そうして下さい。やっぱり心配になりますから…」
「……なぁ主。君は昨日の夜、俺に言った事を覚えているかい?」
「昨日ですか?鶴丸さんが綺麗で好きになっちゃいそうとは言いましたね?」
私が彼の頬を撫でていれば、鶴丸さんは私の手に擦り寄り目を細める。うっとりとした顔で見上げられてドキリと胸が高鳴った。