白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第36章 華と蝶と満ちる月ー華蝶番外編ー
「姫凪…
差し入れ待ってっから…」
軽くキスをくれる鉄朗に
心は弾みきらなくて
『気が向いたらね!
私も忙しいんだから!
受験生なめないでよね!』
また小さな嘘をつく
別に予定なんか
鉄朗と逢えるなら
なんとでもなるものばかりなのに、ね。
そんな私に困った様に笑って
家を出た鉄朗が
「姫凪?どしたの?
クロにいじめられた?
おれ合宿行かないで
慰めてあげよっか?」
「コラコラ。
そんな一石二鳥あるか、バカ。
研磨の好きな烏野のチビちゃんも来んだから
サッサと行くぞー」
俯く私に駆け寄る研磨を引き摺って
いつもの道を歩いて行ってしまった