白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
心は弾むのに
それに応えられる語彙が
俺にはなくて
「…別に。
もう着くから…
鍵開けといて…」
適当に返して
話を逸らす
電話繋いだまま
姫凪の家の門扉を抜け
「ただいまー」
まるで旦那気取りで
玄関をあけると
『おかえり!
…って!夫婦か!
お母さんもお父さんも
リビングに居るんだけど
チョット顔出してあげてくれない?
最近クロと研磨の
顔見てないってボヤいてたから』
少し照れ笑いを混ぜる
姫凪がスリッパを出して
俺の服の裾を引く