第2章 待ちに待ってない合宿。
小走りで音駒高校が集まる場所へ行くと、やっくんに遅いと少し怒られた。どうやら私以外はもう揃っていて私待ちだったらしい。
「あと少し遅かったらデコピンだったな」
『やっくんのデコピン痛いからいや』
「山本のよりマシだろ」
『…確かに』
あの子力強いからね、まあ虎は私にデコピンはしないだろうけど。できないよね、基本女子と話せないし触れないし。
「おいお前ら、私語多いぞ~」
「クロもね」
クロが私とやっくんのお喋りに注意すると、研磨に注意されていた。どっちが私語が多いんだか。
もう紹介が始まると思うから、そろそろ各監督が整列を掛ける頃だと思う。あれマネージャーもやるのかな?代わりにクロに紹介してほしい自分で自分の名前言うの嫌すぎる……でも研磨もいつも自分でやってるし。
うーんと考えていると、烏野高校の紹介が始まった。
三年の澤村くん菅原くん東峰くん、潔子。
二年の田中くん西谷くん縁下くん木下くん成田くん。
一年の翔陽影山くん月島くん山口くん、谷地さん。
翔陽と谷地さん緊張しすぎで自分の名前噛んでるし。
やっぱり谷地さん可愛いな、やっぱりマネージャーも1人で名前言うんだ…。
クロが私の方を見てニヤニヤしている、絶対笑うよあの人クロサイテー。
次は梟谷学園高校。
雪絵たちはもう慣れっこなんだろうな。
そういえば二年生と一年生見たことないから見ておこう。
三年の木兎 秋紀 小見 猿杙 鷲尾 雪絵 かおり
二年の赤葦くん
一年の尾長くん
赤葦くんと尾長くんね、身長高いな。
秋紀2人に抜かされてたりして言ったら怒られそうだから言わないどくけど。
やっぱり雪絵とかおりは慣れっこだ、合宿慣れっこだ。
私も合宿は慣れっこなんだけどそれは音駒のみの時だけで、こんな大勢の合宿とか、ね?
次は待ちに待ってない音駒の番。
噛んだら笑われる、下向いてたら怒られる、なにしてと怒られそうだ。
「三年の黒尾鉄朗です」
猫かぶりとゆうかなんか、誰だお前。
この言葉がピッタリだと思う。クロがどれだけいい人をアピールしても誰しもがその特徴的なトサカヘッドに目がいくよ。ほら、犬岡君言ってたし部活紹介の時は黒尾さんの髪型に目がいって話しがなかなか入ってこなかったって。