第11章 百物語。・:+°三成ルート。・:+°
あれ?痛くない・・・
ゆっくりと目を開けると先程まで見とれていた綺麗な肌が自分を受け止めていた。
「ごっ・・・ごめんっ!!」
「間に合いました。夕霧様がお怪我をされなくて良かったです。」
は・・・恥ずかしいっ!!!
夕霧は慌てて三成から離れようとする。
「待ってください。・・・もう少しこのままでも・・・いいですか?」
「えっ・・・あ、はい。」
返事を聞くと三成は微笑みもう一度夕霧を抱きしめ直す。
この状況・・・どうしよう・・・
「体が冷えてしまったので、夕霧様とこうしているととても温かいです。」
「う・・・うん・・・」
「ずっとこうしていたい・・・ダメ・・・ですか?」
先程よりきつく抱きしめられる。
「あっ・・・三成くん。羽織を持ってくるね・・・背中冷えちゃう・・・」
三成の腕からすり抜けようと力を入れたがそれを阻止される。
「一度抱きしめてしまったら・・・この温もりを、離したくありません。」
「三成くん・・・」
「いつも思っていたんです。貴方をこうしたいと。
でも、信長様や秀吉様、他の方々に大事にされている貴方をみているとそれは叶わない事も分かっていました。」
「私の気持ちは大切という気持ち以上で・・・いつもこの胸の中で熱く滾っていて・・・叶わないと分かっているはずなのに、思えば思う程苦しくなってその気持ちが心の中で暴れ回って・・・」
「今貴方に触れた今、この気持ちを抑える事が出来ません。」
抱き締めている身体を緩めたかと思うと夕霧を見据える。
三成の目に自分が映り込む。
「好きです。貴方をずっと求めていました。」
突然の事に、嬉しい気持ちとなんて返事をしたらいいのか分からず黙り込む。
そんな事微塵も気づいてなくて。・・・でも三成くんの気持ちは痛いほど伝わってきた。
「お返事は無くても構いません。貴方にこの私の思いが伝えられただけで十分です。でも、もう少しだけこのままで・・・」
そう告げると強く抱きしめられた。