第11章 百物語。・:+°三成ルート。・:+°
「さて、そろそろ御殿へ戻るか。」
政宗が立ち上がる。
「そうですね。俺も行きます。」
続くように家康が立ち上がった。
夕霧の顔を見て何か勘づくものがあったのか夕霧の傍へ寄り輪郭をなぞる。
「怖いなら俺が一晩中付き合うが?」
政宗の顔が鼻先ギリギリに近づく。
「だっ・・・大丈夫だからっ」
「それは残念だな。」
近づけた顔を離しニヤリと笑って頭をポンポンと撫でる。
「まぁ、ゆっくり寝ろよ。じゃあな。」
「おやすみ。」
そう言うと政宗、家康は御殿へと戻っていった。
「俺もそろそろ行くが、どうしても怖いなら寝るまで傍にいるぞ?」
秀吉が心配そうな顔で見つめている。
「本当に大丈夫!秀吉さん明日も忙しいんだからゆっくり休んで。」
ニッコリと笑って見せた。
「わかった。」
「・・・では私も秀吉様と参ります。」
「お前は駄目だ三成。」
秀吉は懐からもう一枚手拭いを出す。
「これでもう一度よく拭け。その程度乾かした位で外に出れば風邪をひくぞ。」
「分かりました。」
「夕霧、髪が乾くまで三成をここに置いてやってくれ。話し相手になれば気も紛れるだろ。」
夕霧がコクンと頷いたのを確認すると、おやすみと微笑んで御殿へと帰って行った。