第17章 side HAIBA LEV
side梢
『なんとなく予想はついていたけれど…』
まあ、予想通りっていうかなんていうか…
連れてこられたのはケーキバイキング。
どんだけショートケーキ食べたかったのよ。
月島くんは早速ショートケーキをお皿に盛りにいってしまった。
さて、どう話をしようか…
そう悩んでいればケーキを取りに行っていた月島くんが戻ってきた。
「取りに行かないの?」
『…行ってきます。』
食べます。
じゃあ食べます。
紅茶のシフォンにガトーショコラ、チーズケーキにフルーツタルト。
たくさん種類があるケーキやタルトを一つずつお皿に盛り、私は席に戻る。
椅子に座れば、月島くんはまた、ケーキを取りに行ってしまった。
本当、せわしない…
まあ、せっかくケーキバイキングに来たんだし…
そう思い持ってきたケーキを一口、二口と食べればフォークが止まらなくなった。
美味しい。
ものすごく美味しい。
美味しいケーキに舌鼓を打てば、2回目のケーキを取りに行った月島くんが帰ってきた。
「ここ、美味しいでしょ。」
『うん。美味しい。』
「僕はたまにここに付き合ってくれればいいから。
友だちとして。」
…え?
月島くんの顔を見れば、はあとため息をつく月島くん。
「どう断ろうか。駅で僕のこと待ってる時そんな顔してた。
今もちょっと僕が離れるとすぐため息つくし。」
本当、わかりやすいよね。
そう言いながら月島くんは小さく笑う。
『うん。私、リエーフくんが好き。』
「じゃあ、僕に抱かれるのはおしまいってこと?」
『うん。おしまい。』
「そっか。」
月島くんは持ってきていたアイスティを一口飲むとグラスを机に戻した。
からん、と氷が溶け、音を立てた。
「でもちょっと残念。
本当に僕好みの身体に育てたから、手放すのが惜しいよ。
たまに抱かれに来ない?」
ド直球な言葉に頬を染め、慌てて否定すると、月島くんは意地悪く笑った。