第17章 side HAIBA LEV
『はい、どうぞ。』
電子レンジが回る中、俺は差し出されたトマトジュースをちびちび飲んだ。
トマトジュースに入ってるデコピン?…みたいな名前のやつが吐き気とか頭痛に効くらしい。
梢が教えてくれた。
そして、待ってました肉じゃが!
温まって湯気がでた肉じゃががむちゃくちゃうまそうで、俺はいただきますも言わずに箸を伸ばし頬張った。
……が、熱っつ‼︎
むちゃくちゃ熱い‼︎
俺が飲み物をとろうとすればそれより前に目の前にトマトジュースが差し出されている。
それを受け取ると俺は一気にトマトジュースを飲み干した。
熱さが過ぎ去りほっとしていると、梢がくすくす笑い出す。
「今の、そんなに可笑しかった?」
そう聞けば、梢は俺の方を見て微笑む。
『違うの。多分、リエーフくんはこう動くんだろうなって頭で思い描いた通りに動いてるから…おかしくなっちゃって。』
そんなにわかってくれてるんだったら…
言おうとして、やめた。
だって、”それ”は俺が決めることじゃない。
梢が決めることだ。
「用はそれだけ?だったら帰りなよ。」
できるだけ冷たい口調で突き放す。
かちゃり、と箸をテーブルに置く音が響く。
「どっちかに決められない、今みたいな状況だったら俺はもう、2人きりでは会えない。」
目を見ないで俺はそう伝えた。
本当はそんなこと言いたくない。
好きで、好きで、大好きで
失いたくない。
ずっとそばにいてほしい。
そう思う。
離れてから余計にそう感じるんだ。
でもそれはダメだから…
目をぎゅっと目を瞑ると次の言葉を俺は待った。