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HQ商社 営業3課へようこそ!【HQ】

第17章 side HAIBA LEV






マンションの前にタクシーが止まると俺は、一万円札を支払った。

告白してくれたせめてものお礼。
帰りに困ることがないように。

タクシーが走り去ったことを確認してから、、マンションの階段を上る。


酔い、冷めてきちゃったな…
コンビニ二寄って缶チューハイでも買っておけばよかった。

そんなことを考えながら階段を上りきり角を曲がった。

















俺は幻でも見てるんだろうか。



『リエーフくん。』


俺の家の前に、梢が座ってた。

必死で目をこすっても消えない。

「どう…したの?」

そう、声をかければ梢は立ち上がり、俺の方へと歩いてくる。

『あの、ね…?おかず、作りすぎちゃって…食べない?』



ずるい。
ずるいって…梢…

そのタッパーの中身って肉じゃがじゃん。
梢のご飯の中で一番好きなやつじゃん。

「食べる…」

『よかった。』

そう、笑顔で言う梢が愛おしくて、俺はその場で梢を抱きしめた。

『ちょっ!リエーフくん!溢れるっ』

「俺、やっぱり梢のこと好きだ!
諦めようかって考えたりもしたけど無理だっ!」

腕の中の梢が身じろぎをし、顔を上げる。
そして俺の顔を見て、言った。

『リエーフくん、お酒臭い。』

梢はすんすんと鼻を鳴らして匂いを嗅ぐと呆れたような顔をする。

『しかも、すごい量飲んだでしょう。どのくらい飲んだの。』

聞かれて考えたけど、正確な量がわからず首をかしげる。
梢の顔が怒りに引きつったのを見て、慌てて覚えている分の量を報告した。

「カクテル、3杯。」

『と?』

「ビール4杯…」

『それだけ?』

「…あとは焼酎水割りで飲んだとこまでは覚えてる…」

はあとため息をついた梢は俺に右手を差し出した。

「…?」

『家の鍵。肉じゃがあっためてあげる。ついでに酔い冷ましになるもの探してあげる。』


俺は素直に部屋の鍵を渡す。

梢はドアを開けると遠慮することなく中に入っていく。

その後を追って俺も中へ入っていった。



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