第2章 縁の下の力持ち
「へー。じゃ今1人なんだ?」
「うんまぁね。」
「2階、私の部屋で待ってて。お茶もって行くから。」
「うんわかった。」
お茶を持って自分の部屋に戻る。
力は、いた。
落ち込んだ時の癖、体育座りで顔を伏せる。
「…俺、甘えてたんだな。」
誰に話すわけでもなく、息をするように呟く…
これも、落ち込んだ時の癖。
彼がなにか、唐突に話し始める時、
それはその''なにか,,で悩んでいる時。
前にも一回、あった。
確か去年の夏、名将、ウカイ監督が戻ってきた時。
『俺、逃げてるよな…』
部活に行かなくなった彼の家で彼が吐いた言葉。
『そう思ってんなら戻ればいいじゃん?』
思ったことを素直に言っただけなのに、力は、目を見開いて、そっか。とだけ言った。