第2章 縁の下の力持ち
その撫で方に、少しだけ泣きそうになる。
あの時と同じ撫で方だから…
「ねぇ力?今から今からウチ、こない?」
大会が終わって疲れてるだろうけど、今帰りだし、私んちのほうがちかいし、いいかな…?
力の顔を伺うと彼はやっぱり少しだけ眠そうな顔で
「いいよ。俺も絢に相談したいことあるし。」
よかった…
「じゃ、行こっか。」
この道を歩いて右折、アイボリーの外壁の家。
「ただいまー。」
「お邪魔します。って、おばさんたちは?」
「あぁ…うちん家って自営業じゃん?だから、今はなんだっけ?現場確認?らしいよ。来週までいないの」