第8章 油断 ※一松
〈ななみside〉
ヘナヘナと床へ座り込み肩で大きく息をして呼吸を整える。
一「・・・服、汚れたね」
一松くんがトイレットペーパーを少し巻き取り、渡してくれた。
「あ・・・ありがとうございます・・」
力なく受け取るも、腕に力が入らずそのまま項垂れる。
一「・・・・・」
そんな様子を見おろしながら自身を綺麗にし、服を整えていた一松くんがしゃがみこみ、服に飛び散った欲望を拭き取ってくれた。
「とれない、ですよね・・・」
一松くんの手元を見ながらポツリと呟く。
私は服を着たままだったので、一松くんの精液は私の服にべったりとついていた。
一「・・・・・」
一松くんは無言のまま表面だけ拭き取り、そのままトイレを去ってしまった。
ガチャリとドアが閉まり、一点をぼーっと見つめる。
ーーーわたし、一松くんとも・・・トド松くん、気づいてたらどうしよう・・・
数分後、重い体を起こし二階へ行き着替えてから夜食の準備に取り掛かった。