第2章 六つ子は朝が弱い。
私もトレーニングルームを出て事務所に荷物を取りに向かった。
すると、廊下におそ松が立っていた。
普段は社長に捕まりたくないからって事務所には寄り付かないのに…。
「どうしたの?もしかして私なんか伝え損ねた!?」
慌てて手帳を確認する私に、おそ松は吹き出した。
お「慌てすぎwww。あー、そうじゃなくてさ…」
手帳から顔を上げるとおそ松が珍しく真面目な顔でこちらを見ていた。
お「彼方さ、セクハラされたんだろ。」
「あー、そのこと。大丈夫、あの人はいつも誰に対してもああだから。」
お「…トド松に聞いた時、無防備すぎるって注意するつもりだったんだけど。…あー、そのセクハラさ。俺の為に拒否らなかったとかじゃない?」
「え?」
お「俺の仕事盾に取られて…とかだったら俺、その仕事行かないから。」
「ち、違う!違うから仕事行って!!」
お「…じゃあ何で嫌がんなかったんだよ。俺ん時は綺麗に右ストレート決めてたじゃん。お前、女の子じゃん…俺達の為って思ってんならそう言うのやめて欲しいの!!」
拗ねたような口調に変わったおそ松に、私はようやくおそ松が何を言いたいか分かった。
「ああ''ーもう、おそ松!!」
私が普段出さない素の声を出すと、おそ松はビクリと目に見えて驚いた。