第1章 伝説の始まり
「僕だけ呼び捨て…僕は、こんな小さい子にも見下されるのか…」
なんとなく清之助だけ呼び捨てにすると、なんだかショックを受けていた。
「この後、隊首会にて隊長の方々に紹介します。」
「あ、じゃあ僕はこれで失礼するっス。
そろそろひよ里が感づいた頃だと思うんで。」
「いい加減にしないと殺されますよ?」
呆ゆように清之助がそう返すと、頭の後ろに手を当てて浦原さん笑って返した。
「ハハハ、気をつけます。あ、そうそう卯ノ花隊長…」
「……そうですか、やはり。」
浦原さんは卯ノ花さんに何か耳打ちすると手を振って部屋を出ていった。
「では早速、女性隊員を集めてくれますか?」
「あ、はい。わかりました。」
「あ、あの…」
「あなたはまず、体を綺麗にしましょう。」
「え、や、ちょっ…」
浦原さんと清之助が出ていくと卯ノ花さんは問答無用で私の服をぬがした。
元々着ているかどうかも危ういような布切れだったが、剥かれるとそれはそれで恥ずかしい。
体を丸め必死に抵抗していたが、最終的に丸まったまま湯船に放り込まれた。
色々とやる事が荒い卯ノ花さんに体中についた返り血や泥を落とされ、切ることも出来ず伸びて束ねていた髪を洗われ、白い紐で結直された。
それからは集まった数名の女性隊員によって着せ替え人形のように見たことのない着物を着せられては脱がされを繰り返えし、クタクタになった。
結局決まったのが最初にあてがわれた真っ白な着物と真っ赤な帯だったのだから、あの時間は何だったのか疑問だ。
「……。」
「不満そうですね?」
「いえ…ただ、動きづらいなと…。」
これじゃあ襲われてもあまり立ち回りは出来そうにない。
「ふふふ、安心なさい。
隊首会が終わったら袴を出して来てあげます。そうすれば少しは動きやすいでしょう。」
「その、隊首会って何なんですか?」
知らない言葉だ。
卯「護廷十三隊の会議です。あなたを紹介しておかないと、侵入者扱いされて殺されてしまうかもしれないでしょう?」
「護廷十三隊…」
少し前に聞いたことがある。
尸魂界を守護する十三の精鋭部隊…。
「……そろそろ行きますよ。」
「は、はい。」
そんなすごい人たちの集まる会議になぜ私が連れて行かれるのか疑問に感じつつ私は刀を抱きしめ、卯ノ花さんの後を小走りでついて行った。
