夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第5章 月と太陽(亜久津仁)完結
「あ~姫凪~
喉が渇いたな、何か適当に
買ってきてくれると嬉しいな」
『え?うん…スグ買ってくるね!』
妹が遠ざかったのを確認すると
「さてと、そろそろ教えてよ?
姫凪に何したの?」
千石が急に真面目な顔で言った
「別に何もしてねぇ」
「じゃぁ何でイキナリ亜久津のこと
あんなに怖がるのかな?」
「…ちょっと脅かしただけだ
たいした事はしてねぇよ」
面倒臭そうに言うと
「たいした事って?亜久津がいつも
屋上でやってるような事とか…
してないよね?」
語尾がきつくなっていく
「だったら何だ?
別に突っ込んじゃいねぇよ
あんなガキ相手に冗談じゃねぇ
俺にベタベタとウゼェから
からかってやっただけだよ」
「亜久津!!」
千石が俺を睨みつけた
上等だテニスより喧嘩のほうが
憂さが晴れる…
ラケットを投げ捨てようとしたとき
『やめて…』
小さい声が俺らの間に響く
「姫凪…!?」
妹が三人分の飲み物を抱えて
青い顔をして立っていた
くそっ。どこまで間が悪い女だよ
『僕、今日は帰る…』
飲み物を千石に渡し背を向ける
「1人で?待って…送る…」
『いいよ…1人がいいの…ね?』
千石に言い、俺を振り返ると
『あの…今までゴメンナサイ!』
「え…?おい…」
『…さよなら・・・・』
俺の声をさえぎり走り去った
「…亜久津。何をしたかはいいや
もう姫凪に近づかないでくれ」
千石の冷たい声が耳に入る
「…くだらねぇ。もう帰る」
ラケットを叩きつけてコートを出た
――さよなら――の言葉が
頭に響いている
アイツが居なくなったところで
俺には関係ない
それなのに何でこんなに空しい?
空は曇り今にも雨を落としそうに
暗かった