夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第5章 月と太陽(亜久津仁)完結
「亜久津先輩!こんにちわです!
来てくれてうれしいです」
コートに出ると太一が近づいてくる
「気が向いただけだ。つきまとうな」
太一は「ハイ」といいながらも
事あるごとに俺の側に来る
妹の姿は見えない
ホッとしたような期待外れなような
妙な気分だった。くだらない事を
考える前に練習をした
そこに
『お兄ちゃ~ん♡』
妹が駆け込んできた
「姫凪~遅いよ~
心配したじゃないか~」
抱きついてきた妹を抱き返し
頭をなでる。まるでバカップル。
『ほら♪上手に出来たでしょ?』
「うん♬休憩のときに
食べるよ~この辺で見てなよ」
妹をベンチに座らせ
練習を再開する千石
妹に視線をやると目が合った
妹は慌てて視線を落とす
他のテニス部員が次々妹に
話しかけに来る。無邪気に笑い
時折抱きついたりしている
男どものまんざらでもない顔が
やけに癇に障る
そいつらが去るとマタ千石の
練習の終わるのを待つ
俺は妹の隣に腰を下ろした
『あ…亜久津先輩…コンニチワ』
視線は落としたまま頭を下げる
「おぅ」
無言のまま座っていると
『あの…僕、別のところに…』
立ち上がる妹の手を掴んで
「座ってろ。チョロチョロすんな」
強引に横に座らせた
俺は何がしたいんだ
距離を置きたくて
あんな事をしたのに
去ろうとする妹は許せない
『あの…練習は?』
「気が向いたらな」
『ノド渇きませんか?』
「別に」
『…今日は雲が多いですね…』
「黙って座ってらんねぇのか?」
息つく間もなく話しかける妹に
呆れたように言うと
『…ごめんなさい…』
眉を下げて俯く
空気が重く感じる
「あ~疲れたよ~
あれ?姫凪と亜久津?
どうしたの?暗いな~」
千石が俺らに近づいてきた
『お兄ちゃん!お疲れ様~』
飛びつくように抱きつき
隠れるように寄り添った
そんなに俺が怖いか?
…当然か…