夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第5章 月と太陽(亜久津仁)完結
翌日、お兄ちゃんと登校してると
「千石先輩、千石さ~ん
お早うございますです!」
太一君が僕達を見つけて走ってきた
「やぁ壇君、朝から元気だね」
「ハイ!僕はいつも元気です♪」
白い歯を見せてニッコリと笑う
『太一君おはよ~☆今日も
らぶり~~~!』
余りに可愛くて抱きつくと
「千石さん!ちっ近いです!その…顔が…!!」
と、真っ赤になった太一君
ますます可愛い♬思わず笑顔になる。
すると
「よかった~やっと笑った~
壇君のおかげかな?」
お兄ちゃんがホッとしたように笑って言う。
本当に太一君と居ると和む。明るい気分になる
きっと太一君みたいな人と居れば毎日が楽しいんだろうな
でも…僕は…
「あ~!亜久津先輩」
太一君の声で僕の思考は一気に停止
駆け寄っていく太一君の後ろで
足が地面に縫い付けられた様に動かない僕
「姫凪?どうしたの?行かなくていいの??」
お兄ちゃんが不思議そうに言った
行かないんじゃない行けないんだよ…
好きになって貰えなくてもいい
嫌われたくはないもん…
「先輩達~?何してるです?
遅刻しますよ~??」
太一君が手を振る
「ハイハ~イ今行くよ~」
お兄ちゃんに手を引かれ二人の所に行く
「やぁ亜久津オハヨ。」
「けっ。朝から鬱陶しい奴らだ
集まってくんな」
眉間にしわを寄せた先輩の
視線が僕に流れてきた
『あ…。オハヨウゴザイマス…』
小声で挨拶をしたものの
お兄ちゃんに握られた手は震えていた
「…今日は大人しいな」
先輩が僕の目を見て小さく笑う
僕は眉ひとつ動かせない
先輩から視線さえ外せない
そんな僕を確認すると
「じゃあな」
と、歩き出す
「え~?1人で行くですか?
一緒に行きましょうです~!」
太一君が後を追う
僕は相変わらず動けないままだ
「姫凪?亜久津と何か
あったの?昨日から変だよ?」
『何にもないって♪そうだ!今日ね
調理実習でケーキ作るから
テニス部に差し入れに行くね!』
心配させないようにわざと明るく笑う
「…ケーキ?そりゃラッキ↑」
お兄ちゃんも笑ってくれたけど
バレバレかもなぁ…
テニス部…亜久津先輩も来るかな?
滅多にこないし今日も来ないよね
逢いたくなんかないから丁度いいや…
だめだ…うそ。
本当は逢いたい…