夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第5章 月と太陽(亜久津仁)完結
姫凪side-
震えが止まらなかった
押さえつけられた身体に這う
先輩の指。
残された僕に移った
先輩の煙草の匂い。
恐怖で立ち上がれない
あれが先輩の側に居る
条件なの?
大人の女の人なら誰でも
あんな事出来るの?
僕には出来ない…愛のない
あんな行為に耐えられない
そうか…立ち上がれないのは
恐怖のせいだけじゃない…
先輩に愛されていないのが
解ってしまったから…
ショックで立つ気力さえ出ないんだ
「姫凪やっと見つけた!
こんな所で何してるんだ?!」
お兄ちゃんが駆け寄って来た
『…ゴメンナサイ。貧血かな?
ふらついて立てなかったの』
「顔が真っ青だよ?ほら…立てる?
早く帰って寝なくちゃ」
お兄ちゃんに手を引かれて
立ち上がる。寄りかかると
先輩とは違う柑橘系の
コロンのにおいがした
「姫凪?本当に平気?」
『うん…でも早くお家に帰りたい』
半ば引きづられる様に
家に帰りベッドに倒れこんだ
目をつぶるとさっきの光景が
頭に浮かび涙がにじんでくる
あんなことされたのに…
何で僕は亜久津先輩を嫌いに
なれないの?
何でまだ好きなんだろう…
側に居れないのに
気持ちが離れてくれない
大人になれない僕に出来るのは
近づかない事だけ?
辛くてどうにかなりそうだ…