第1章 『Trade 2→9 』影山
のことを引っ張りながら、二人きりになれそうなところを考えてみたものの、全く思い浮かばなかった。
店に入ったりするより、もっと落ち着いて話がしたい。
結果、気が付くと俺は自分の実家に戻ってきてしまっていた。
今日はちょうど家族全員不在だ。
こんな偶然にも、俺は感謝する。
俺が立ち止まった目の前の一戸建ての表札を確認したは、慌てたように口を開いた。
「え………?!どこ行くのかと思ったら…ご実家になんてお邪魔できないよ!!」
「うち今日は誰もいねえから。」
「いや、そういうことじゃなくて……」
動揺するの手を引いて、半ば強引に家に引きずり込んだ。
さっき俺に会っちまったのがお前の運命だ。
もう、帰さねえ。