【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第26章 関係
「ここ…綺麗だね。
誰の手も加わってないのに、色んな色がある」
否定の言葉を紡ぐ前に話題を逸らした。
「はい。
たまに来るんです、ここ。
色とりどりの草花、落ち着く香り、暖かな日差し、遮るもののない景色、心地良い風。
大好きです」
ここがとても。
と、足元に咲く花に触れながら話した。
「リア…!」
トサッ、と景色が反転する。
背中に感じる少し柔らかな感触、近くに感じる匂い、目の端に映る緑。
押し倒されている。
野外で、こんな昼間から。
「ごめん…。
合意の上じゃないのは分かってるけど…やっぱり我慢出来ない。
リアと居ると…自制が効かないみたい」
困ったよね、と眉は下がっているが目は本気だ。
欲望のままに動く狼のような、オトコの顔。
「…良いですよ、シャルになら。
そういう関係になろうが、別に」
好きな人を拒否出来る程、私は出来てない。
気持ちは伝えられなくとも、身体を許すことは出来る。
「本当に…良いの?」
ゴクリと唾を飲んだ。
「ただ、ここでは嫌です」
「分かった、じゃあ移動しよ」
優しく立たせてくれる。