【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第26章 関係
「そうなんだ、知らなかった。
ねえ…リア」
「はい?」
「その…さ…」
意を決して口を開いたその時、風が吹き髪が舞った。
それを手で押さえたけれど、肝心のシャルの言葉は聞こえなかった。
「すみません、もう1度お願いします」
「だから…その…好きなんだ…リアのことが」
「!」
「前も言ったけど…俺、リアのことか好き。
俺とさ…付き合って、くれない?」
好き…付き合う…恋人同士…。
「…ごめんなさい」
私も好き。
でもその思いには応えられない。
「そ…っか、だよね。
ごめん、気にしなくて良いから。
今まで通り接してくれると嬉しいな」
傷ついたような、悲しそうな顔。
愛しい人にそんな顔をさせているのは…私。
「私も今まで通りが良いです」
「うん、分かった。
でも俺は諦めないからね。
振り向いて貰えるよう、努力する」
止めて。
そんなことされたら、自分の気持ちが抑えられなくなる。