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【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜

第20章 暴走


ヒソカの中では今すぐ壊してしまいたいという己の欲求と、団員同士のマジ切れご法度という鉄の掟とが戦っていた。


壊したい。


でも壊してしまえば団長と戦う機会が失せてしまう可能性がある。


あっちが勃てばこっちが勃たず…♦︎


「ダメよ。

団員同士のマジ切れ禁止ね」


ポン、とフェイタンの手がリアの肩に乗った。


この状況(毒々しいオーラの中)でも普段通り動けるのは彼1人のようだ。


「冷静になるね、いつもみたく」


置かれた手からフェイタンさんの冷たく静かなオーラが伝わって来る。


そのお陰で少しだけ頭が冷えた。


ほんの少し色の戻った瞳がシャルを捉える。


「っ…」


ビク、と身体を震わせるその瞳には恐怖の色がわずかに滲み出ていた。


やっぱり…皆私を怖がる。


「…リア、ちょと眠るね」


「ッ…」


そんなシャルを横目で見ると、フェイタンは目にも止まらぬ速さでリアの首裏に正確な打撃を与えた。
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