第8章 ほらやっぱり
あの日以来紫音とは連絡を取っていない
やっぱりあの日犯してしまえばよかった…
いや、そんなこと僕にはできやしない
大切な人を傷つけるわけにはいかない
紫音は僕のことただの友達とでしか見ていないようだしその考えが変わることもほぼないと言っていいだろう
だけど、僕はあの日からずっと彼女だけを紫音だけを見てきた
正直人よりはモテている方だと思う
何回も告白してきた子だっている
でも、全部断った紫音がいるから…
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『では、新入生は自己紹介と頑張りたいことを一言ずつ』
『じゃあ次』
「緒方紫音です!えーと、運動が好きです!今までこれを極めた、というのがないのでなにか一つ極めていきたいです、よろしくお願いします!」
ぱちぱちばち…
普通の子最初はそうだった
でも、部活をやっている姿がかっこよかった
種目は違ったけど遠くからずっとみていた
『はーい、あと5分ー』
「はーい!」
苦しそうな表情も、少し楽しそうな表情すべてかっこよかった
『おーい、奥田?』
『はい?!』
『何ぼーっとしてんだよ、何、緒方か?』
『え?!なんでそれ…』
『バレバレなんだよーココ最近ずーっと部活中暇さえあれば見てるだろ』
『見てないっすよ!』
『いいっていいって、でもまぁ確かに頑張ってるよなー』
『そうっすね…』
頑張るのは当たり前のことだ
でも、彼女の頑張ってる姿は他の人と何か違っていて
すごく惹かれた…