第18章 未来
ふわりと麗を抱きしめる白蘭。
白蘭「ごめんね・・・。」
フッと麗の目に光が戻り、麗は慌てる。
麗「び、白蘭・・・!?何して・・・!!」
白蘭「お願い。しばらくこうさせて。」
麗「・・・ねぇ、白蘭。」
顔も見せずに抱きしめる白蘭に、独り言のように話し出す麗。
麗「この時代の私は、この世界をあいしていた。最後まで、この世界を見てた。・・・この戦いが終わったら、私を、休ませてあげて。」
白蘭「嫌だ・・・!!麗チャン、まだ若いのに、まだ・・・!まだ、やり残した事だって、いっぱいあっただろうに・・・!!」
麗「それでも、私という人間は、もう死んでるのよ。」
白蘭「・・・!」
麗「生き返らせようと、それは、私であって私じゃない。私はきっと、生き永らえる事は望んでないわ。だって、その分、いつだって私は全力だった。」
白蘭の頭を撫でながら、麗は言葉を続ける。
麗「私は、もう十分・・・生きたわ。」
白蘭「・・・ごめん、ごめんね・・・!!」
麗「・・・本当に行くの?」
白蘭「うん。綱吉クンと決着をつけないとね。」
麗「・・・私も、行く。」
白蘭「ダメ。僕と一緒には行かせない。」
麗は静かに白蘭から視線を反らした。
白蘭「ねぇ麗チャン。」
麗「・・・なに?」
白蘭「麗チャンの事、あいしてたよ。哀して、愛してた。大好き。」
麗「・・・きっと私も、白蘭の事、哀してたわ。」
ニコリと笑う白蘭。
白蘭「うん。知ってるよ。」
やぁ、僕は白蘭って言うんだ。君は?
麗。鷹宮麗よ。初めまして。独りぼっちの青年?