第2章 「調査兵団」
…………………
"ねぇ、お母さん"
"なぁに?"
"私のお父さんはどこにいるの?"
"………"
"…いつもその質問だけ答えてくれない"
"それだけは…言えないの"
"なんで"
"ごめんなさい…"
"死んだの?もう会えないの?"
"………っ"
"なぜ答えないッ!!!?"
ーーーガタンッ!
『ーーッ!!』
大きな音で目が覚めた。
エル「すまない、起こしてしまったか」
エルヴィンが本を落とした音だった。
…にしては、大きな音に聞こえたが。
『エルヴィン…』
エル「3日間も眠り続けていたから心配したよ。良かった…」
3日間…?
私は、そんなに眠っていたのか?
『どうりで…身体が重い…』
エル「何か思い出したのか?」
確かあの日…リヴァイ兵士長に問い攻められて、身の危険を感じて部屋から逃げ出して…
そのまま気絶したのか……。
『いや…何も』
エル「そうか。まあゆっくりするといい」
変な夢を見た気がするけど覚えていない。
とりあえず今の気分は最悪だった。
『ごめん…仕事あったのに…』
エル「いいんだ。ミクリヤの身体の方が大事なんだから」
『ありがとう…』
迷惑をかけてしまった。
エル「明日からまた仕事があるのだが…いけそうか?」
ああ、仕事。
休んだ分溜まっているだろうな。
まあ多分体調は整うだろう…。
『うん…大丈夫』
エル「そうか。無理はするなよ」
そう言うと私の頭を撫でた。
エル「とりあえず今日も休め。では、私は用事があるから失礼するよ」
『うん…分かった』
エルヴィンは部屋から出て行った。
時計を見ると、午後の4時を過ぎていた。
そろそろ日が沈む頃。
今の時間は比較的涼しく過ごしやすい。
『ちょっと…外出よう』
服をいつもの戦闘服に着替え、
髪はお団子に縛りそのまま部屋を出た。