第20章 未来への扉
(エピローグ)
今日は、
私の同僚、夜久君と
私の友人でもある夏希ちゃんの結婚式。
二人の再会の日からの紆余曲折を見守り
プランナーとして今日まで携わってきた
私にとっても感慨深い日です。
プランナーとしては
当たり前のことしかしてあげられないけど、
それでも、この一日を、
二人それぞれに特別な日にしてもらいたい、
…そう思っていました。
夜久君には
『夏希に、俺の仕事を知ってもらいたい』
と言われていたので、
打ち合わせの始めの頃からずっと、
夜久君の仕事をさりげなく
夏希ちゃんにも説明し、
今日、当日を支えてくれる
夜久君の仕事仲間や
舞台裏の様子も見てもらって。
…夏希ちゃん、
夜久君がどれだけこの仕事が好きか、
少しでも、感じてくれるといいんだけど…
そして、私、夜久君に内緒で、
夏希ちゃんにも質問してたんです。
『結婚式で、叶えたいこと、ある?』
ドレスやエンジェルブレスやケーキ…
披露宴の中には
夏希ちゃんのこだわりがたくさん。
でも夏希ちゃんにはもうひとつ、
小さな願いがありました。
小さな、小さな、願い。
『わかった。必ず私が結婚式の日に
その願い、叶えるからね。
一生、心に残る思い出にしよう!』
大事な友人の
小さな願いを叶える瞬間が、きます。