第18章 誓いの言葉
割烹の入り口の近くで、
スマホをいじる人。
背が高くて、
サングラスをかけてて…
髪が長い、
…日本人?外人さん?…
その人が
いきなり、オーバーリアクションで
話しかけてくる。
『Oh,KOHALU?!
Long time no see!
How have you been?
I'm glad to see you!』
熱くハグされる。
ふんわり、華やかで上品な香り。
頬に当たる、やわらかな…おっぱい。
ん?
このおっぱい、
まさか、
…エリさん?!
びっくりして言葉が出ない私にかまわず、
流暢な英語で一方的に話し続ける。
…なんだかわかんないけど、
私も、知る限りのつたない英語と
生まれて初めての小芝居(笑)で
エリさんにのっかってみる。
『ELLY! I'll help him check-in,now.』
『Check-in? OK,just a moment,
…Hey,Would you help me?』
エリさんは、手をあげて
フロントにいたホテルマンを呼ぶと
『Please help his check-in。』
と、チェックインの手伝いを頼み、
あっけにとられている
太った彼に向かって
『Have a nice trip!』
と微笑むと
『Let's go,KOHALU!!』
私の腕を組んでさっさと歩き始める。
よくわかんない展開だけど、助かった…
ホテルを出たところで、
エリさんがサングラスをはずす。
『あぁ、楽しかった!』
『びっくりしたー!
エリさん、本当の外国人みたい!』
『そぉ?』
えっへん、とでも言うように笑うと
『さ、行こう!』
と、道路の向かいに停めてある
木葉さんの車に向かって走り出す。
『木葉さんと来てくれたんですか?』
『そう。それと、もう一人。』
ガチャっとドアが開くと、
後部座席に…
『京治さんっっっ!!!』
会いたくて
会いたくて
会いたくてたまらなかった、
愛しい人の姿。