第22章 ～恋ネコ②～ ダメ出しプロポーズ

クリスマスイブにプロポーズする人って
たくさんいるんだろーな、きっと。

みんな、それぞれのシチュエーションで
プランをたてるんだろーな、きっと。

やっぱ、クリスマスならでは…ってのが
心に残るよな、きっと。

そうやって考えて、
俺、イヴに飯食いに行く前に
クリスマスといえば、イルミネーション！
…を、見に行くことにしました。

最初に
夜景の見えるレストランとかも考えたけど、

イヴの日って、そういう所は

あっちもこっちもカップルだろうし、
よそのカップルがプロポーズ始めたら
こっちのペースも狂ってしまうし、
二人で向かい合って、
なんかムーディーな音楽とかかかってたら
絶対、無駄に緊張しそうだから。

それに比べたら、
イルミネーション会場って

基本、暗闇ベースだし、
人も多いだろうから
指輪とか渡しても目立たないだろうし、
ザワザワしてっから、
少々、声がうわずってもバレないだろうし。

俺にしちゃ、よく考えたと思いませんか？

しかもですよ、
俺、犬岡と、会場の下見にも行ったんです。
何万球ものイルミネーションで飾られた
都心からちょっと離れたフラワーパーク。

入場料は大人一人1500円。
当日は混雑してるといけないから
前売り券をちゃんと事前購入。

結構広くて、自然豊かで、隠れるところも
(いや、隠れる必要、ないっすけども。)
たくさんあって、
園内にはクリスマスマーケットも出てて
可愛い物、買ったりできるし。

疲れたら、ここのベンチに座ろう。
あ、トイレはここと、ここだな。
写真撮るなら、ここがいいな。

自販機は、ここ…
手が冷たくなったら
温かい缶コーヒー買って
手を温めてあげよう。

うん、こんだけ広ければ、
どっか人が少ない目立たない場所で
プロポーズできるだろっっ！

俄然、勇気が湧いてきた！
うまくいく気がするっ！

飯を食べる予約をした店までの所要時間も
実際、行ってみて確認して。

…出来る下準備は、全部、やった。
俺って案外、緻密なタイプかもな。
(主に犬岡の彼女のアドバイスだけれども。)

プランは、完璧。
あとは、俺の勇気だけが未知の世界、です。

♪も～う、い～くつ、寝ると～、
プロポ～ズ～♪

♪ジングルベル、ジングルベル、
プロポ～ズ♪

そんな鼻唄を歌いながら、
その日をロックオンしていた俺、でした。