第12章 影山くん。
春高バレーでの敗戦によって3年生が引退し、烏野高校排球部は新チームとして活動を再開した。
新チームといっても、まだ新入生が入ってきたわけではないから、今はただ単に3年生が抜けただけという感じだ。
みんな敗戦のショックが色濃く、なかなか現実を受け入れられないまま日々を過ごしているように見えた。
それは私も同じで、今でもあの試合を思い出すと涙がでてきそうになる。
頂きが見えていたからこそ、余計だった。
ベスト4。
本来なら誇れるはずのこの成績が納得のいかないものになるくらい、烏野は成長していた。