第8章 春への道
合宿終了後、すぐに春高代表決定戦の予選が始まった。
インターハイ予選でベスト16に入っていた烏野は、一回戦は免除になっていたため二試合勝利することにより、代表決定戦に勝ち進むことができた。
今は夏休みも終わり、代表決定戦まであと1ヶ月を切ったところだ。
皆が練習に精を出す中、私も仕事を頑張ろうと外の空気を吸って気合いを入れようとした時だった。
黒いパーカーに帽子、そしてサングラスをかけた人が目の前を横切った。
「うわあ!!!」
私の大声に目の前の人物も相当驚いたらしい。
その顔をこちらに向けた。
顔を見た瞬間に誰なのかが分かって私はホッとした。
なんだ。
サングラスをかけて変装していたって分かる。
「な…何やってんの影山くん…」
「!!!俺だって分かるのか?!」
「バレバレだよ……」
「くそ!!」
そう言って影山くんはすぐにその変装をとく。
「そんな格好してどこに行くつもりだったの?」
「青城…。どうしても、代表決定戦の前に様子を見ておきたくて。」
「そっかあ…。とりあえずさ、変な格好して行くと逆に怪しいだろうから普通にTシャツとかのほうがいいんじゃ…。」
「…そうか、わかった。」