第1章 出会い
私達が体育館に一歩足を踏み入れたところで、旭さんの姿に気付いた西谷先輩が血相を変えて飛んできた。
「旭さん!!!!!戻ってきてくれたんすね!!!」
体育館中に響き渡るほどの大きな声で西谷先輩は叫んだ。
もう来ていた大地さんと菅原先輩も、こちらにやってくる。
二人とも、とても驚いているようだった。
「旭……」
「水沢さんにどうしてもってお願いされてさ…。」
「え、菜月に?」
菅原先輩の視線が私に移る。
旭さんは言葉を選びながら先を続けた。
「正直、まだ完全に復帰できるって気持ちにまではなってない。だけど…ここまで真剣になってくれる1年生を無下にはできなくて。」
旭さんの言葉を聞いた菅原先輩がニカッと笑う。
「いいじゃん、最初はそれでも。俺は旭がまた体育館に来てくれたってだけでもマジで嬉しい!」
「そうっすよ旭さん!……あ、でも俺は早くまた旭さんとバレーしたいんで、気持ちの整理は今日中にお願いしますよ!」
「西谷…俺の話聞いてた?」