第4章 変化
というか…嫉妬?
月島くんの言葉を反芻して、私は
急に先程の自分の言葉が恥ずかしくなってきた。
本音だから別に良いのだけど、この前告白まがいのことを言われた相手への言葉としては適切でなかったかもしれない。
「な、影山!妬くなって!」
西谷先輩が影山くんの背中を思い切り叩いて言う。
「こいつはこういうやつなんだって。基本他人リスペクトしてんだろ。だから俺のことだけ特別なわけじゃねえってこと!」
「べ、別に妬いてなんて…」
「ふーん…じゃあ、もし俺が奪っても文句はないわけだな?」
「えっ…」
「ライバル宣言だ影山!!」
突然の西谷先輩の言葉に、私も思わず影山くんと同時に声が漏れた。
西谷先輩はビッと影山くんを指差している。
「…影山が文句ないとしても、俺は納得いかないな。」
「え、マジすかスガさん……くそーっ!負けませんよ!!」
何だか、訳のわからないことになってきた。
混乱していると、見かねた大地さんが練習再開の掛け声をかける。
私の言葉が波乱を巻き起こすことが多いなら、いっそのこと無口キャラになったほうがいいのかなあ。
清水先輩みたいに男子には必要最低限のことしか喋らないようにしてみようかな。
そう思ったけど、また影山くんに、お前が清水先輩になれるわけねえだろ、とツッコまれるさまを思い描いてやめることにした。