第4章 変化
「なんで…。」
私がそう呟くと、影山くんはこちらに視線をよこす。
私は、そんな影山くんに詰め寄った。
「なんでそんなにつっかかるの?良いものを良いって言って何が悪いの?かっこいいんだから仕方ないじゃん!」
私の勢いに、影山くんは気圧されたのか何も言わない。
「そんなこと言ったら私、影山くんのことだって尊敬してるし、毎日かっこいいと思ってるよ!」
「「「「……………」」」」
「トスはもちろんだけど、サーブもブロックも、たまに試合中に打つスパイクなんてもうそれはそれはかっこよくて…」
言葉を続けようとしたところで、はたと気付く。
…あれ?
やけに静かだ。
あ、これは。
失言したときの空気だ。
あの練習試合の時によく似ている。
目の前の影山くんは真っ赤になって震えていた。
「良かったねえ王様、褒めてもらえて。男の嫉妬は見苦しいよ。」
「なんていうか…そこでキレるんじゃなくて逆に褒めちゃうのが水沢さんらしいよね。」
月島くんと山口くんが声をかけてくれたので、微妙な空気が幾分マシなものになった。