第4章 変化
「菜月、そんなに怯えなくてももうさすがに大丈夫だよ。」
事情を聞いたらしい菅原先輩が私に優しく声をかけてくる。
「は、はい…」
西谷先輩によって、Gは今度こそ片付けられた。
でも、何となく部室に入りづらい。
ほんの少し前までここにいたGのことが思い起こされて、やつが這っていたところを踏みしめたくない。
「西谷先輩、すみませんでした。大きな声出してしまって…」
「ああ、気にすんな!女子はだいたい虫嫌いだもんな。」
屈託なく笑う西谷先輩に、ほっとする。
私は、棚の上から落ちて散乱したものを拾い集めた。
背伸びして棚の上に戻そうとしたけど届かない。
前に月島くんに、そういう労力を惜しむなと言われたのを思い出し、私は踏み台になりそうなものを探す。
キョロキョロしていたら影山くんと目が合った。
「…貸せよ、やってやるから。」
「あ、ありがと…」
影山くんは簡単に棚の上に荷物をのせてしまう。