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My important place【D.Gray-man】

第45章 10/31Halloween(番外編)



「大変っ」

「どうしたんです?リナリー・リー」

「アレン君がいないの…!」



右を捜せど左を捜せど。
勿論上にも下にも、彼の姿はない。



「ウォーカーが?」

「まーた、何処かで迷子になったんさ?マジで方向音痴だよなー、アレンの奴」

「あんなに大きな菓子籠を持っていたから、見失わないと思ってたんだけど…どうしよう!」



ハロウィンも段々と落ち着きを増してはいるが、まだまだ人は疎らに多い。
普段は目立つアレンの白髪も、仮装大会と化している人混みの中から見つけるのは困難に等しいのだろう。
慌てて辺りを見渡すリナリーの目で、白髪を捉えることはできなかった。



「そ、それは大変…!」

「本当、よく迷子になるっスね…」

「流石にこの人数じゃ、私の聴覚でも中々捜し出せないな…」



顔を蒼白に変えてオロオロと慌てるミランダに、しみじみとチャオジーが呟く。
マリの聴覚を持ってしても捜し出せないとなると、聊か面倒だ。
しかし皆が頭を抱える中、けろっとした人物が一人。



「そんなの簡単じゃん」



両手を後頭部の後ろで組み、ニッと八重歯を見せるティモシーだった。



「もっと便利な探索方法があんだから」

「なんであるか?それは」

「マリの聴覚より優れた探知能力なんてあるかよ」



ケッと毒突く神田は、ティモシーの言葉など信用していないらしい。
興味なさげにそっぽを向く。
しかしその態度も、ティモシーの答えに貫き通すことはできなかった。



「あるだろっ雪ねーちゃんの鼻がさ!」

「…は?私?」



急に話を振られ、完全に蚊帳の外だと思っていた雪がワンテンポ遅れて反応を示す。
一斉に皆の目が集中する中、そっぽを向いていた神田もまた思わず雪の姿を凝視していた。

半狼化した、その姿を。

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