第18章 xxx ending √3:TETSURO
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「ま、予想はついてたけどな」
一言でいえばカオスだった。
このメンバーが狭い部屋に集まるのだから、当然といえば当然なんだけど。
研磨はワークブックそっちのけでゲームに夢中。蛍は仕事疲れからなのか爆睡してるし、しかも、ご丁寧にアイマスクまでしてやがる。寝る気満々で来やがったなアイツ。
んで、極めつけはこれだ。
「わあ! 梅干し味のおにぎり!」
「カオリこれ好きだったろ? だからいっぱい買ってきた!褒めて!」
「嬉しい。ありがとう、光太郎」
い ちゃ つ き や が っ て
あの黒服のガキ、まるで海外の挨拶みたいにサラッとカオリを抱き締めやがった。カオリもカオリで普通に応じてるし。なんだ。あれか。お前らの間ではそれが日常茶飯事だったのか。
お兄さんちっとも理解できません。
「オイ、そこのお前、光太郎」
「んあ? 何だよ黒尾」
「カオリから離れろそして帰れ」
凄んでみせて言う。
しかし、光太郎は怯むどころか「ははーん」と口角を吊りあげて、イタズラな企み顔をつくった。
それから何をするかと思えば、彼は、カオリをより一層強く抱き締める。そのまま彼女の耳元にキスをして、俺を見て、笑った。
「俺、カオリのことが好き」
「へっ!? こ、光太郎!?」
「ボーッとしてると、奪うぞ」
彼はそれだけ言うと、パッ、と腕を離してカオリを解放する。
こいつ、分かってるんだ。
バカな振りして色々考えてる。きっと、俺の気持ちにも、カオリの気持ちにも気づいてる。だから敢えてそんな言い方をした。
それで発破かけたつもりかよ。
「……可愛くねえガキ」