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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第17章  xxx ending √2:KEIJI



 京治さんと。光太郎と。

 三人並んでゲームセンターを後にする。外は相変わらずの青空。冷えた空気が火照った頬に心地いい。

「それじゃ、俺たちはこれで」

 言ったのは京治さんだった。

 行こうか、カオリ。
 そう付け加えて私の肩を抱く。唖然として、直後、弾かれたように焦りだすのは光太郎だ。

「え!ちょ、待っ、どこ行くの!?」

「どこって……ホテルですけど」

「ぬ、あ、なんだとォォォ!?」

 うるさい。光太郎が。
 ここ駅前通りなのに。

 道行く人々に好奇の目を向けられて、顔が熱くなるのを感じた。それに加えて、私を赤面させた要素がもうひとつ。

(ホテル、って……?)

 極々小さな声で京治さんに問う。

 微笑みを返す彼。
 私の右肩を抱く腕にグッ、と力を篭めたかと思えば、そのまま耳元に唇を寄せて甘えた声を出した。


(……したくなっちゃった)


 腰がくだけるような感覚。

 あえて例えるなら、膝かっくんをされた時のように。下半身に力が入らなくなる。鼻血すら出しそうになる。

 私はなにも言い返すことができない。ただ、口をパクパクとさせるだけ。この金魚の人形みたいに。

「じゃあ光太郎くん、お元気で」

「待て!俺はまだ納得し」

「……またどっかで会いましょう」

 その台詞を皮切りに、京治さんは走りはじめた。片腕に私を抱き留めたまま。

 否、走るなんてもんじゃない。
 もはやこれはダッシュである。

「ちょっ……京治さ、速っ、こ、転ぶ!転んじゃいますからァァァ──……!」

 雲ひとつない冬空にこだまするのは、私の、情けない絶叫だった。

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