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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第15章 extra xxx 003



 結局、研磨とは話せないまま。
 私たちは彼らの住む高級マンションを後にした。

 蛍くんが一緒なら安心だけど、やっぱり、起きてる研磨に会いたかったな。

 今度会ったらちゃんと話を聞いてあげたい。私には親がいないから、まともなアドバイスなんて出来ないけど。

 でも、聞くことなら出来るから。


「おまえ、ありがとうネ」


 お見送りでもしているつもりなのか、私たちの隣をトコトコとついてくる黒猫さん。

 その澄ました横顔にお礼をした。

 にゃ、素っ気ない声が返ってくる。ちょっと誇らしげに揺れる、左右六本のヒゲが可愛らしい。

 黒尾のバイクが停めてある場所まで戻ってくると、ふらり、黒猫さんは浜辺へと消えていった。

「また会えるかなあ」

「蛍に飼われてんだから会えるだろ。にしてもあのクソガキ、マジで生意気だったなー……」

 遠い目で語る黒尾。

 チャッ、とポケットから鍵を取りだして、バイクのエンジンを吹かす。

 当然のように投げつけられるヘルメット……の、はずが、いつまで経っても投げてこない。どうしたと言うのだろう。


「? ヘイ、黒尾、ヘイ」


 俺に寄越せとばかりにボールを、じゃなかった、ヘルメットを呼んでみる。しかし、やはり黒尾はそれを渡そうとはしなかった。

 何だってそんなこと。

 問いたげな顔で彼を見る。すると、返ってきたのは最悪な質問だった。

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