第13章 extra xxx 001
「……なんだよ、それ」
今更自分の道を歩めだなんて、そんなの、ただ突き放しただけじゃないか。
俺にとっては岩ちゃんこそが、俺の行く先を照らす道だったのに。
これでおしまい。
ぜんぶおしまい。
この町で過ごしてきた時間。人間として生きてこれた時間。楽しいこともあった。たくさん笑ったりもした。全部、全部、岩ちゃんのおかげだったのに。
結局俺から離れていっちゃうんだ。
俺が、みんなを傷付けたから。
俺が、この女を傷付けたから。
ああ、──こいつさえ現れなければ。
やっぱりあの時、無理矢理にでも拐って犯してグチャグチャにしておけばよかった。
「…………あははっ」
プツン、と糸が途切れたように。
目が見えなくなる。音が聞こえなくなる。黒で塗りつぶされただけの寂しい世界。ひとりぼっち。寂しい。ひとりは寂しい。もう、ひとりはいやだよ。
最後のギリギリで繋がっていた正常な思考は、完全に、機能を停止した。
「どうせ終わるなら、嫌われて、っふふ、そうだね……そうだよね、母さん」
奪ってやる。お前らから、全部。