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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第13章 extra xxx 001



 乱暴にドアが開け放たれて、反対側の壁にブチ当たって、豪快な音が部屋の空気を揺らす。

 ああ、岩ちゃんの開け方だ。

 よかった。来てくれた。
 俺に会いに来てくれたワケじゃないけど、それでも、もし来てくれなかったらどうしようって不安だったから。


「及川っ……テメ、何、カオリは!?」


 七分、か。

 思ったより全然早かったなあ。店はまだ閉店作業中だろうし、潰れた従業員の追い払いも残ってるはずなのに。

 全部放りだして全力疾走してきたんだね。だって、息、すごく上がってる。


「──そんなにその女が大事?」


 ベッドに横たわってるカオリに気付いたらしい彼は、一直線に彼女の元へと駆け寄った。俺の言葉なんて無視してね。

 雪のように白い肌
 血のように赤い唇

 すやすやと眠る彼女をそっと覗きこんで、その息があることにひどく安堵して、この上なく優しい顔をする。

 その姿はまるで王子さま。

 まったく嫌になるほど美しいね。
 愛なんて浮かれあがった幻想に過ぎないのに。本当に、反吐が出る。

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