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閑話休題?ーNARUTOー

第47章 晩夏の用心棒ーイタチ、鬼鮫、飛段ー



「だから呼んだんじゃねえですか。ええ?依頼する気だから呼んだんですぜ?わかってなかったの?え!?馬鹿なの…?あ、あッ、いや、あの、俺ァ馬鹿だから、言葉が悪ぃ…あの、言い方が下手?えーと、ほら、あー、あの、ゆっくりわかってくれたらいいんでさ。俺ァお二方が頼りなんです」

気遣わしげに遠慮しいしい言葉尻を消えいらせながら言った要へ、牡蠣殻はいっそ泣き出しそうな顔をした。

「あなたはもう少しこう…もう少し広い世の中を見渡してみた方がよろしいように思うのですが」

「あッははァ、牡蠣殻にンなことォ言われるってな余っ程だぜ、あんちゃん」

空の菓子盆を覗き込んで舌打ちしていた飛段がパアッと明るい顔をして話に割り込んできた。それを疲れたように一瞥した牡蠣殻が要に目を移す。

「ええ、全くその通りです。更にこの人にこんなことを言われているということ自体が異常なんです。そんなあなたと飛段さんと私。ロクなことにならないのは目に見えているとは思いませんか?」

要は不安そうにきょとっと大きな目を動かした。

「?そう?かな?いや…うん?…あ!」

一頻り首を捻ったが思い直したようにぐっと眉根を寄せて牡蠣殻を睨みつけた。

「いやいや、その手にゃのりませんぜ!謙遜して俺を煙に巻こうってんでしょ?ダメダメ、俺だってそこまで馬鹿じゃねえ」

「謙遜!」

飛段が膝を叩いて背筋を伸ばした。

「謙遜ねェ。うん、いいねえ、謙遜。ケンソンな!俺と牡蠣殻がケンソン!ケンソンだってよ、牡蠣殻!ケンソン!」

「ちょ…そんな耳元で怒鳴らなくても聞こえますよ、飛段さ…ァだ…ッ」

耳を抑えて呻いた牡蠣殻を何故か一発ひっぱたいて飛段は要に目を転じた。

「いや、面白ェな、オメエ」

何が面白いのか本人以外さっぱりわからないが、兎に角飛段はワクワクと目を輝かせて要ににじり寄った。

「へェ?」

今まで他人事のように話の枠外にいた飛段にロックオンされて要は怯んで尻を浮かせる。
よくよく考えればガタイがよく柄も悪い飛段は一見して用心棒の要だとわかりそうなものだが、何しろ一向話に関わらず、架空のモンスターの捕獲にばかり熱心で如何にも頼りなさげな牡蠣殻に幾度となく呆れ混じりの叱責を受けている様子から、ここまで正直存在を軽んじていたのだ。改めて向き合われると、俄然迫力があって怖い。
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