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【刀剣乱舞】それは、確かに恋でした

第1章 崩れる、音がする


黙って僕の手を握って俯く優大様。
こんなに幼いのに、現実を受け入れて審神者にならなくちゃいけないなんて……、現実はあまりに非情だ。
僕は、近侍なんだ。
もっとしっかりしなくちゃ……、優大様を守らなくちゃ……。
じゃないと、主に顔向けが出来ないよ。

「優大様、行こう」
「――うん」

とぼとぼとついてくる優大様。
その足取りは、何処か重いんだ。

無理もない。
優大様は、その霊力のせいで、外の世界では虐められていたそうだ。
そして、他の刀剣達は僕と違って戦闘に適してるから、戦場に行く。
僕は、他の刀剣より弱いし、審神者の力を持つレア刀剣。
そのせいで、壊れたら本科は作りなおすリスクが高いから、僕だけお留守番。
そういう事情もあって、昔から優大様と僕と主の三人でよく遊んでた。

特に、僕は政府の頼まれごとも多いから、主と優大様の二人で遊ぶことも多かった。
その時、必ず優大様はこの本丸で遊ぶんだ。

だから、優大様にとってこの本丸はお爺ちゃんとの思い出がつまった本丸。
あまりにも、酷すぎる。
思い出がありすぎて、辛い時期なのに。

でも、自分が頑張らないと僕ら本科が消えてしまい、写しもなし崩しで消えてしまうことを理解してるんだろう。
その小さな体に、辛い現実を精一杯受け止めてるんだ。
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