第3章 逆らいの条件
そんな二人を見てたら、自然と笑みがこぼれてしまった。
「ふふっ……」
あ……。
つい、と思って口を押さえたけれど、次の瞬間二人の顔から冷たさが消えた。
私の方を向いて二人は楽しそうに笑顔を向けてくれる。
岩泉先輩の笑顔に愛おしさを感じるのはもちろんだけど、及川先輩が笑ってくれたことが嬉しかった。
その時……やっぱり後悔してしまった。
「青城に、来てれば…良かったっ……」
岩泉先輩に言われたとき、岩泉先輩の近くにいられないことが辛かったけど、それがベストなんだって思ってた。
けど、今普通に笑ってくれる二人を見たら……涙と一緒に勝手に思いを言ってしまった。
青城に来て、何にも考えず。ただこの人達とバレー部でいたかった……。
「うん。俺も待ってたのに……」
及川先輩はそっと触れるだけのキスをして、私の涙を拭ってくれた。
「本当にごめんなさい……」
「いいよ。ただ奴隷にするのは諦めてないから」
そう言うと、再びキスをしてきた及川先輩。
どんどん荒々しくなっていって、岩泉先輩の前なのに及川先輩の舌を求めてしまう。
この時からもう私の頭の中に「耐えなきゃ」なんて考えはなかった。
快感に溺れてしまってた。
ブレザーを脱がされて、ベストの上から胸に触られる。
あまりに久しぶりの感覚に、いきなり電流が走ったような快感を感じた。