第13章 敗北の慰め
「……っ」
自分の手の甲を口に噛ませて声を抑えた。
甘噛みなんて言っても、我慢できるギリギリぐらいの痛みが襲ってくる。
影山は私がどれぐらい受け入れられるのか、試してるんじゃないかって感じてしまうほどに。
必死に耐えて顔を歪めながら色の無い歯型のついていく胸を見つめる。
痛いなんて言えないっ……。
影山の方が私よりもずっと苦しそうに顔を歪ませてる。
「はんっ…ッ、はあっ…」
「っ……!」
息を荒くして噛み付く影山の声だけが部屋に響く。
私はその度に指先だけがピクリと痛みに反応して、痛みの声を無理やり飲み込んだ。
終わって欲しいと思いながら、受け入れるために突き放せないこの時間が苦しくてたまらなかった。
「……ハァ」
影山が荒れた息を整えるために、苦しそうに空気を吐き出しながら胸元から顔を離す。
そのまま私の顔には目もくれず、俯いたまま影山自身のズボンに手をかけた。
半分ぐらい勃ち上がった影山のをそっと影山自身が片手で掴むと、そのまま仰向けになった私の口元に近づけてくる。
ソレを下向きに押さえつけるようにして唇に触れさせられる。
無言でフェラしろって言われてるみたいで、私はゆっくり目を閉じて影山のを口の中に入れた。
乳首を吸われた時みたいに、キュッとキツく歯を当てないように先っぽに吸い付く。
「……っ」
影山の太ももの辺りが快感からなのか一度震えた。
影山の味が出てきてる……。久しぶりの、あの時以来のものだ。
更に快感を追うように腰を沈めて口の奥まで挿れようとするけれど、角度が悪くて口蓋に当たって止まる。
影山の指先が私の頬に触れて、促されるまま奥にソレが入り込むように顔の角度を変える。
ニュルンと滑り込んで当たった位置が悪かった。
ヤバい……くるしっ…!
私は嘔吐(えず)いて影山のを口から出した。
「……ゲッホ、ゲホッ…!」
たまらず顔を逸らして咳き込む。
「ごめっ…」
フェラしてる最中に嘔吐いてしまったこと……。仕方ないとはいえ、気を使わせてしまったしいい気分じゃないはず。
まだ咳き込みがおさまらない。