第1章 まだ気がつかない
福井side
あいつと初めて会ったのは部活動での自己紹介だった
俺は新三年生になり、岡村をキャプテンとし、俺が副キャプテンとなった
まず、驚いたのは敦
秋田と言えど、バスケやってる奴なら嫌でも耳に入ってくるキセキの世代の1人だ
ディフェンスを強化しているチームに敦がくるのは何ら不思議ではないし、監督からもスカウトしてきたと聞いていたが、わざわざ東京を離れ遥々うちのチームに入ってくれたのは、正直ビックリしたし同時に頼もしかった
敦の隣に少し気まづそうに落ち着きなさそうにいるちっこい奴
(まあ、敦と比べちゃ誰だって小せえけど…)
それがだった
陽泉は今までマネージャーが居なかったが、経験者でしかも性格に一癖も二癖もある敦を手なづける事が出来る奴という事で監督が特別にマネージャーを設ける事にしたらしい
本人の希望もあったみたいだが…
(て事は、こいつも帝光中だったって事だよな…まさか、わざわざ紫原を追ってきたって事か?)
緊張した趣きでそいつは
「東京の帝光中出身、 です!!帝光中でもマネージャーをやってました!!皆さんのサポートを頑張ってしていきます!!」
と、そう言い切ったそいつはそれまで見せた緊張や不安などを全部払いのけて堂々と言っていた
よく見ると可愛いのかもしれない…
それが第一印象だ