第1章 まだ気がつかない
その頃、男子寮ではー…
寮にある、共用スペースの広間でお菓子を食べながらテレビをみている紫原と氷室
寮に住んでる生徒は9割がスポーツ推薦
監督の都合で急遽休みになったバスケ部とは違い皆は部活だ
「ん〜あ〜お菓子無くなっちゃった〜ちんでも誘ってコンビニ行こうかな〜もうそろちん来るかな〜」
ゴミとなったお菓子袋を片手に見つめいつもなら、休みとなれば紫原の元へやってくる
チラリと時計をみると、いつもならもうそろそろ来る時間だった
陽泉高校の寮は基本的に男子は女子寮へ行くのは禁止。
女子は男子寮へ行くのは禁止だが、この共用スペースならばオッケーというきまりだった。
「そういえば、今日は福井さんと街まで出かけるって聞いたぞ?」
「は?そーなの?てゆーか、なんで室ちん知ってんの?」
紫原は、隠しきれない不機嫌さを全面にだして氷室に尋ねる
「昨日たまたま二人が話してるところを聞いてね。敦は知っているのかと思っていたよ」
「知らねーし。」
紫原はそのまま、自室へと戻ってしまった
入れ替わりのように劉が氷室の元へやってくる
「敦の奴どうしたアル?すごく、怒った顔してたアル」
「んー…少し怒らせてしまったかもしれない」氷室は微笑んでそう言うと
「全然悪いと思ってる顔じゃないアル…」