第1章 まだ気がつかない
ガチャッ
「あれ?福井さんに?
どうしたんですか?揃って…」
「氷室先輩こそ、どうしたんですか??」
部室のドアノブが開いたと思ったら、そこには氷室が汗をかきながら入ってきた
机の上に綺麗に折りたたまれたタオルを見つけ、それをとると
「自分のタオルを忘れてしまってね。
それより、楽しそうに何の話ですか?」
「部品のチェックしてたら足りないものがあったんで、買い出しに行こうかなって思ってたら福井先輩も明日街へバッシュ見に行く予定があるみたいなんで、一緒に行く事になって」
はニコニコしながらそういうと、氷室は少し考えた後ふーんと答え
「じゃあ、明日と福井さんはデートなんですね」
その言葉に福井はギョッとし、チラリとの様子を伺うと
「デデデデデ…デートだなんて!!かっ買い出しです!!!」
顔をこれでもかというくらい赤くさせ、はどもりながら言い返す
「!!!」
(なんだよ!!その可愛い反応!!!)
今まで見せた事のない反応にしかも自分との事でこんな顔をするのは少なからず、そういう意識をしてもらえているのかと期待をしてしまい、少し…いや、すごく嬉しい
氷室はクスっと笑うとじゃあ、俺は先行きますねと部室を出ようとすると「わっ…私も行きます!!」と行っても一緒に出て行ってしまった
福井は、遅れてきた顔の火照りを冷ましてから部室を出た