第3章 ペリドットの癒し
「ねぇ、ルヴァイド。私のおでこどうなってる?」
イオスってば、手加減無しなんだもの。跡残らないわよね?
「………」
「………」
無反応のルヴァイドに、アレスは肩を落とした。
けれども諦めずに彼の腕に触れ、話を続ける。
「確かに私のしたことは余計なことだったかも知れないわ。でも私の事で貴方の立場が危ぶまれるよりは、ああした方が貴方の為になると思ったの」
逞しい腕を優しくさすってやるアレス。
ルヴァイドは突然起き上がり、彼女の腕を掴んだ。
「俺の気持ちはどうなる!!」
先程の怒りだけとは違う、悲しみの篭った怒鳴り声にアレスは目を見開く。
「もしレイムがあの場でお前を差し出せと言ってきたら…最悪の結果になっていたぞ」
「…それは…」
ルヴァイドの言う通りである。