第3章 ペリドットの癒し
「だからこいつに頼んで、危険を冒してでも捕虜という立場を見せつけてくれたんだろう?」
未だルヴァイドに胸ぐらを掴まれたままの兵士は、可哀想なまでにオロオロと成り行きを見守っていた。
「……惨めなものだ」
アレスに我が身の心配をされ、あの状況をどうする事もできなかった自分が情けない。
ルヴァイドは兵士を離すと、天幕から出るように促す。そして自身はベッドに横たわった。
こちらに背を向けて、明らかに落ち込んだ様子のルヴァイドにアレスは狼狽える。
「勝手なことしてごめんなさい」
私、貴方を守らなきゃと思ったの。貴方の側に行きたかったの。そうするには捕虜を演じるしかなかったのよ。
「それに、イオスが上手く切り抜けてくれたし」
アレスの視線にイオスは姿勢を正した。