第3章 ペリドットの癒し
「とにかく、聖女の捕獲を急ぎなさい」
「…あぁ、善処しよう…」
「良い報告を期待していますよ」
レイムはルヴァイド達の間をすり抜け天幕の入り口に立つと、もう一度アレスに振り向いた。
「今度会うときは名前を教えて下さいね、お嬢さん」
「…………」
アレスは目を瞑り、唇を噛み締めながら無視を決め込む。
「おやおや、相当嫌われてしまったようですね」
レイムは苦笑すると、優雅にお辞儀をしてみせた。
「ではまた。ごきげんよう」
天幕からレイムが出ていき、その気配が無くなったところでイオスが慌ててアレスを抱き起こす。
「大丈夫か!?」
「……うん、何とか」
アレスが答えたと同時に、アレスをこの天幕に連れてきた兵士が顔面蒼白で飛び込んできた。